近年の傾向から自身のキャリア形成はTop downの異動よりも公募の異動へとシフトしています。自身で手をあげて、そのポジションに従事するほうがモチベーションも高く成果が期待できますよね。
異動を決めるポイントとは、なにをおいてもまずは自身の意思の表明をするべきです。
私の経歴ですが、一括採用で自身の希望と違う配属になったことから、エンジニアとしてある程度のスキルセットが身についたと自信をもったときに転職しました。しかしながら転職後の条件をあまり精査しておらず、転職後も思うような業務ではなく完全に失敗したと悩んでいました。
そんな中、社内公募があることを見つけ、それを活用し、希望の職務につくことが出来ました。その後はプロジェクトの立候補を率先して行い、できる限りやりたい業務をさせてもらいながらキャリア形成をしてきました。やはり自分で手をあげて行動することが重要だと考えています。
この記事ではその経験をもとに社内異動をするためのポイントを説明していきます。
2つのブレーキの排除
中堅以降のポジションとなると、主に下記の2つのブレーキが生じます。これによって躊躇されている方が多いのではないかと思います。
- 今のポジションを離れるのを申し訳なく思う
- 異動先の業務でパフォーマンスを発揮できるのか不安
ではそれらを解消するための考え方・行動はどうするべきでしょうか。
今のポジションを離れるのを申し訳なく思う
考え方
今のポジションを離れることは、同僚や上司・部下に迷惑をかけるのではないかと思うのは当然だと思います。しかしながらこれまでいろいろな変化を経験しているはずです。その変化は会社であれば、主には成果をあげるべく、組織や仕事のやり方を変革するものだったのではないでしょうか。
右図は変化・変革に対する成果のイメージ曲線です。オレンジ色が一般的なイメージ曲線とします。通常、変化が起こった場合に、拒否や反発から始まり、不安へと変化します。そこから現実を受け入れて取り組んでいくという受容の期間を経て最終的に改善へと進んでいきます。
新たにポジションを応募してきた人が業務をする場合はチャレンジをしているわけですから、①の不安の部分の落ち込みも少なく、②のように改善へと向かう期間が短くなります。そもそもチャレンジしているわけですから当人には反発という期間はない状態ですね。
”自分がこの業務をしていないと”と考えるのではなく、いまのポジションを空けることは”他の人にもチャンスとなること”と考えておきましょう。会社の規模にもよりますが、様々な考え方・スキルの人がいるわけですから、自身よりも改善をしてくれる人はいるはずです。
行動
普段からそれとなくでも上司や仲間に意思表示をしておきましょう。近年では1on1または1to1と呼ばれる面談を設定している会社も多く、その目的としては業務のタスク管理ではなく部下へのコーチングやキャリア支援の側面を重視しています。
常日頃から進みたい方向を少しずつでも共有しておいて、周囲から支援がもらえる状態を構築しておきましょう。周囲の方に対しても、前述グラフの変化に対する初期の心理的なインパクトを抑制する効果があります。
異動先の業務でパフォーマンスを発揮できるのか不安
考え方
やってみたいけど、本当にできるのだろうかと不安に思う場合は調査して自信をつけていくしかありません。そもそもやりたいと思っていることなので、自然と対処する行動をとっている可能性は高いです。
一つの考え方として、”好きこそものの上手なれ”ですね。不安を乗り越えること自体を楽しめる仕掛けや行動は何なのかを考えてみましょう。
行動
行きたい部署の人と交流をもつ
実際にどんな業務なのか、どんなやりがいがあるのか聞いておき、自己理解で出てきた自身のやりたいことを実現できるものがあるのかをチェックしましょう。
異動希望先と協業するプロジェクトへ立候補
実践に勝る習得はありません。現職にいながらにして確実に他部署の状況を理解できるチャンスは部門横断的なプロジェクトです。多種多様な経験をできる絶好の機会ですので積極的に動きましょう。
異動にあたって
業務引継ぎを滞りなく進めるために、引継ぎ内容の文書化や引継ぎ期間の設定を関係者と整合してきます。引き継ぐ方もキャリア形成のチャンスとなりますので、抱えている問題や改善ポイントを整理しておきましょう。社内異動ですので、最終的には同じ目標を共有する仲間・チームとして真摯な対応が必要です。
ポイントまとめ
- 社内公募などは積極的に活用するべき
- 日頃からコミュニケーションをとって意思表示と行動をとっておく
- 異動は自身だけでなく引き継ぐ側のチャンスでもある
- やりたい人×やれる人が改善・成果のスピードが高い
本記事がやりたいことを実現するための一助になれば幸いです。